【JRA栗東トレセン】天皇賞秋公開調教・角居勝彦厩舎見学ツアー参加レポート
4月から埼玉県から滋賀県に移住して半年以上が経過しました。
滋賀県といえば、琵琶湖以外に何があるの?と知人友人によく聞かれます。
いやいや、滋賀県=栗東トレセン(JRA栗東トレーニングセンター)でしょと。
というわけで、滋賀県に来てから絶対に果たしたいことの1つがこの「栗東トレセン見学」でした。
そして、ついにその思いが実現しました。
JRAのホームページから申込をしていた「天皇賞・秋栗東トレセン調教&角居勝彦厩舎見学ツアー」に当選してしまいました。そして今日、参加してきました。
結論としては、滋賀県に来てから最も良い思い出となりました。本当に心から参加してよかったと思います。
この感動を多くの競馬ファンの方に是非味わってもらいたいと思い、体験記をブログに載せていきます。読んで一回行ってみたいと思っていただけると嬉しいです。
<トレセン調教見学ツアーの申し込み方法>
そもそも調教見学ツアーはどこで申し込むの?という方も多いかと思うので、申し込み方法をまとめます。
① JRAホームページのイベント・キャンペーンを開く
http://www.jra.go.jp/event/index5.html
② 美浦トレセン・栗東トレセンいずれかで参加したいツアーを選択

③ ツアーページで詳細確認後、ツアー参加希望メールを送る
ざっとこのような流れです。
申し込み時必要事項は下記のとおりです。
<申し込み時必要事項>※JRAホームページより抜粋
(1) 代表者様の郵便番号・住所・氏名(フリガナ)・年齢・性別・携帯電話番号・競馬ファン歴・メールアドレス
(2) ご同伴者様全員の氏名(フリガナ)・年齢・性別・競馬ファン歴
(3) このイベントを知ったきっかけ
今回は、天皇賞の豪華メンバーの調教&角居厩舎の見学ツアーということで、倍率も相当高かったそうです。
トレセン調教見学スタート
いよいよ見学開始。まず5時30分に栗東トレセンの事務所に集合し、JRA総務課の方から、↓のスケジュール表をもらいます。

約5時間半にわたる、ボリュームたっぷりの内容です。
早速バスに乗り込み、トレセン入口の門をくぐると、いきなり馬が現れてきます。

トレセン内の道は全てが馬優先。馬が通るときは人も車も立ち止まります。そのまま、バスで調教スタンドに向かいました。
コース調教見学
バスから下り、調教スタンドへ歩いて移動します。

まずはコースでの追い切り調教の見学。
元ラジオNIKKEIのアナウンサーである藤田直樹さんに解説頂きながらの見学となりました。双眼鏡もレンタルで支給されます。

栗東トレセンの調教は全6コース。 1日に多いと約2000頭の馬が調教されます。CWと坂路中心で、特に坂路は多い時に1000頭近くの馬が一日で調教されるそうです。
コース追い切りは地下馬道から抜けてぐるっと一周回り、5〜6ハロン目から1ハロン毎にタイムが計測されます。
調教ゼッケンは基本馬齢別ですが、GI出走馬はすぐ見分けが付くように特殊ゼッケンを着用しています。

小さいですが、オレンジのジャンパーがサートゥルナーリア&スミヨンのコンビ。

福永騎手飛び入り参加
調教見学中、サプライズで福永祐一騎手が飛び入り参加されました。オーラありました。

インタビュー方式でしたので、内容抜粋します。リアルな話が聞けました。
(何か趣味はあるか?)競馬以上の趣味はない。競馬は世界最高のエンターテイメントだと思う。レース、騎手の駆け引き、調教。ギャンブルも興味ない。かつてユタカさんには琵琶湖競輪に連れて行ってもらった。
(レース前日は何をしているか?)夜は布団の上に競馬新聞置いてイメージする。なかなか勝つパターンが思い浮かばないレースもある。
(菊花賞について)枠の並びでスローと見ていた。蛯名と川田は2人の気性的に道中やり合うと見ていた。読み通りだったがユタカさんも上手くいってた結果。最後少し止まった。少し距離が長かった。
(天皇賞の見解)東京2000は外枠不利。すぐコーナーに入る。外枠で勝つには運が必要。サートゥルナーリアもアーモンドアイも得意だろう。アエロリットが行くと思うが、(戸崎)啓太はそんな飛ばさないはず。
天皇賞は基本差しが強いが、ペースが遅いと先行馬残る。今年はそのパターンかも。2番手の馬がペースで作る。天皇賞秋を逃げ切った馬はニッポーテイオーまで遡らないといない。天皇賞で逃げた馬は勝てない。逃げた馬の宿命としては他の馬に左右される。 ワグネリアンは2〜4枠なら、7番手ぐらいから差すイメージで考えている。
(レース前の組み立てで考えることは?)考えてないジョッキーもいることも想定して考える。今の方がレースは難しいのでは。大逃げをするようなテレビ馬はいない。 昔は逃げたら絶対に譲らないジョッキーもいた。 また距離適性に合わない馬は今は適性外のレースに出てこない。どのように勝つために組み立てるか。この人だったら動きそう、こいつは動かないというのも見ている。
(どう動くかわからない読めない騎手はいるか?)ミルコはどう乗ってくるかわからない。スタート出るか読めない。ノリさんは意外と読みやすい。記者からレース前に逃げるんですよねと言われたら逃げない。天邪鬼。
スミヨン騎手飛び入り参加
なんとスミヨン騎手も飛び入り参加。サートゥルナーリアについて語って頂けました。

サートゥルナーリアについて
グレイトフル。アメージング。とても強い馬。しばらくこんなに力強い馬に乗っていなかった。
前に三頭がいたが三頭を追うようにと言われていた。サートゥルナーリアに初めて乗ったので感触を確かめるように乗った。満足以上。 サートゥルナーリアは羽の生えたペガサスのような馬。
ジャパンカップを勝った後、色んなことがあり日本に来れなかった。今回の天皇賞のサートゥルナーリアは日本で1番良い馬と言い切っていい馬。
7年ぶりの日本の短期免許。たくさん勝つというために来たわけでない。どのレースにもベストを尽くすために、あえて騎乗数を抑えてもらっている。
競馬業界が少しでも盛んになるように貢献していきたい。
穏やかながら、自信あふれるコメントでした。
坂路調教見学
バスで移動し、坂路コースを見渡せるスタンドへ移動します。

因みにコース調教では主に競馬専門紙記者による手動での調教タイム計測ですが、坂路調教は調教タイムが自動計測されます。馬のゼッケンにマイクロチップが入っており、モニタリングによって自動計測できる仕組みなんだそうです。

栗東トレセンの坂路は最長は1084m。 地形の関係上ラスト400m手前にコーナーがあり、更に奥にコースが存在します。迫力満点です。

プール調教見学
テレビでも中々映ることのない、プールの調教の様子も見学させて頂きました。

プール調教効果としては、怪我した時に脚に負荷をかけない、リフレッシュ効果等があります。

馬は実は生まれながらにして泳げるのだそう。水深は3m。
最近はプールの利用率が下がっているそうです。
装蹄所見学
馬の蹄に装着する蹄鉄はいわば馬の靴。競馬においても欠かせないものです。

蹄鉄は一本の鉄から作られます。

1200〜1300度まで鉄を加熱し曲げていき、15分程度で手際よく職人が仕上げていかれました。
蹄鉄には溝と穴があります。溝は滑り止めの目的、穴は蹄に釘を刺して蹄鉄を装着するためのものです。装蹄師さんは1番左右対称に作るのが難しいと仰ってました。
競走馬の99.9%はアルミ製の蹄鉄を装着し約100g~最大150g。2〜3週間で擦り減るので交換するのだそうです。
ザ石で出走取り消しというのは、爪の圧迫で痛くなって出走取り消しするケースが多いのだそうです。
装蹄師はJRA所属で7名、独立やその組織含めるとトレセン内に50名程いるそうです。
装蹄師の専門学校は宇都宮に一校のみ。1年間。一人前になるには最低5年。トレセン開業や一級に(指導できるレベル)には15年かかるのだとか。装蹄師の担当は大体調教師か厩務員が決めるそうです。
角居勝彦厩舎見学
そして最後に角居勝彦厩舎の見学でした。

角居先生からインタビュー形式で貴重な話をお聞きすることができました。
(調教師を目指したきっかけは?)松国先生に受けてみろと言われた。
(馬の世界に入ったきっかけは?)うるさい親から離れたい。(出身地の石川では)中央競馬の放送も無かった。金沢の人には身近なイメージ無かった。動物の仕事をやってみたかった。
(調教師になってからの印象的なエピソードは?)名も無い人間を有名にしてくれた。世界中の競馬関係者に良くして頂いている。
(サートゥルナーリアの神戸新聞杯以降の調整は?)ノーザンファームしがらきに1週間ほど放牧。戻ってきてからも順調。
(サートゥルナーリアの普段の様子は?)行儀が良い。賢い馬。
(キセキは今どうしてるか?)吉田ステーブルウエストに放牧中。特に問題ない。元気なら有馬に行って欲しいと言われている。
(サートゥルナーリアは菊花賞も考えたか?)(メンバー的に)菊花賞のほうがチャンスあると思っていた。世代代表馬だと思っている。
(厩舎のこだわりは?)良いものは他の調教師にもどんどん真似てもらってる。常に新しいことに挑戦したい。次の世代に良いことができないかというチャレンジをしていきたい。
(天皇賞秋の抱負)国枝先生に勝たせてとお願いしたい。
(ウオッカのダービー挑戦の手応えを感じた時期とそれを決めたタイミングは?)阪神JFを勝った年末に、オーナーから五大競走に登録するように言われた。オーナーと色んなレースやタイム等のあらゆるシミュレーションをした中で、オークスの特別登録時に最終的にオーナーと協議してダービーに挑戦を決めた。
(サートゥルナーリアの凱旋門賞挑戦は?)調教師が決めて良いなら行きたい。
(凱旋門賞を勝つためには?)馬場適性は行ってみないとその馬の適性に合ってるかわからない。チャレンジありき。
(注目2歳馬は?)いっぱいいる。
(2021年の引退撤回はあるか?)ない。石川で実家を引き継ぐ。
馬房見学
いよいよ馬房の中へ。角居先生自ら案内頂くというプレミアムな体験。

そして本日の主役サートゥルナーリア登場。

凛々しい表情です。自信に満ち溢れている感じ。

サートゥルナーリアの馬房を閉める角居先生です。
集合写真撮影
角居厩舎見学の最後に、厩舎の前で角居先生とツアー参加者で集合写真撮影をしました。

角居先生はテレビから感じる物腰の柔らかさそのままの、謙虚で素晴らしい方でした。
このような貴重な機会を頂いたJRA及び各関係者、角居先生には感謝の気持ちしかありません。
GIの調教見学や厩舎見学ツアーは凄く良い思い出に残ると思います。皆さんも是非応募してみてください。
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