【高校野球春季滋賀大会決勝】『近江の要』有馬諒が引っ張る近江が好投手擁する滋賀学園との強豪対決を制す

2019年5月13日

皇子山球場へ滋賀大会決勝を観に行ってきました。初の皇子山球場。

皇子山球場の関係者入口前には楽天のエース則本昂大(滋賀の八幡商業出身)のユニフォームも飾られていました。

試合は4−0で近江が滋賀学園に勝利。

近江は昨夏の甲子園では金足農業に悲劇的な結末となったサヨナラ負けを喫し、秋の近畿大会では報徳学園に敗れ、この1年間、全国でも一際悔しい思いをしてきていたチームが、冬を経てワンランクレベルを上げてきていた印象です。

この試合で近江と滋賀学園それぞれに光っていた選手がいたのでピックアップします。

【近江高校】

林 優樹(投手)

昨夏の甲子園では背番号18ながら、伝家の宝刀チェンジアップを駆使して大活躍を見せたピッチャー。新チームからはエースとして君臨。また高校のU-18日本代表にも選ばれている滋賀No.1投手です。

【特徴】

驚いたのは投球練習の最中。

彼は1〜2球だけチェンジアップを投げていたのですが、一度浮かび上がってから落ちるような軌道を描く変化は今まで見たことがなく、まさに衝撃的な魔球でした。

真っ直ぐのストレートで驚くピッチャーは毎年出てきますが、魔球と呼べるような変化球を操る投手は早々出てきません。

毎年高校野球の地方大会のベスト4以上の試合は必ず数試合観に行っていますが、現地観戦において変化球で同じような衝撃を受けたのは、2012年の夏に神奈川大会の決勝で桐光学園の松井裕樹のスライダーをハマスタで観た時以来です。林のチェンジアップはお金を払って観に行く価値のある魔球だと思います。

今日は試合ではその伝家の宝刀チェンジアップを封印(していたと思います)。真っ直ぐ、カーブ、スライダー中心の組み立ての中、ライバル滋賀学園を4安打完封。それぞれの球種にキレがあり、普通の高校生ではなかなか打てない印象です。

滋賀に限らず、全国でも屈指のサウスポーであることは間違いありません。

夏が更に楽しみになった投手です。

有馬 諒(捕手)

昨年からの近江の要・中心である正捕手の有馬。

選手層の厚いチームですが、近江の要は有馬だなと思わせる素晴らしいキャッチャーです。

【特徴】

セカンド送球の度にどよめく強肩も魅力ですが、今日の試合を見て彼の一番の魅力は試合の流れを読む力だと思いました。

とにかく、守備でピッチャーや野手に声をかけにいくタイミングが良い。今日も監督の指示を待つことなく、自らの判断で野手を集めたり、投手に声をかけに行ったりして動いていた印象があります。

そして、彼が動くとチームが引き締まる。

キャッチャーというポジションはビジネスでいう現場監督のような立場で、野球のポジションで唯一守備で他の野手とは逆を向くポジションです。

なので、全体を見渡して自ら状況判断をして行動することが求められるポジションです。彼はその能力が高校生離れしている。こういう選手がいると監督も楽だと思います。

経験で言えばこの年代では星稜の正捕手山瀬と並ぶ経験値を持つ選手。何故かU-18の日本代表候補に選ばれませんでしたが、夏に自らの力でU-18の日本代表の座を勝ち取れるでしょう。

彼の試合での守備での声かけのタイミングに注目して見てみると面白いと思います。

土田 龍空(遊撃手)

彼は2020年のドラフト上位候補だと思いました。

【特徴】

プロ野球選手で言えば日本ハムの西川遥輝を彷彿とさせる、抜群のバネと野球センスを有しています。

昨夏から1年生で甲子園のレギュラーとして出場していた選手ですが、冬を超えて体付きも一回り大きくなり力強さがついてきた印象です。

下の動画のレフトオーバーツーベースも、しっかりと後ろ脚に体重を残せているから逆方向にも力強い打撃が打てています。

彼はまた守備での打球反応とフットワークが抜群です。

この2つは同世代のショートなら全国No.1では無いでしょうか。

住谷 湧也(中堅手)

昨夏の甲子園で7試合で.769という驚異的な打率を記録した選手。

【特徴】

小柄ながらもスイングに力があり、広角に打てるのが魅力です。

今日もレフトオーバーのツーベースを放ちました。

左打の外野手はプロ野球においてはかなりの激戦区で、いきなりプロとはいかないかもしれませんが、大学や社会人での活躍は容易にイメージできる選手です。

【滋賀学園】

尾崎 完太(投手)

今日の試合でも強打の近江打線相手に力投しましたが、4失点。しかし、プロも狙える好投手だと思いました。

【特徴】

角度と威力のある真っ直ぐが最大の持ち味であるという印象を受けました。

皇子山球場にはスピードガンが無かったのですが、オーバーハンドから繰り出される角度のある真っ直ぐは常時135キロ前後は出ていそうな威力がありました。

※後でYahoo!ニュースでチェックしたら、実際に尾崎の真っ直ぐのMAXは140キロで、プロのスカウトも注目している存在であるようです。

滋賀学園の最速140キロ左腕・尾崎をプロ3球団が視察 4回4失点で初優勝を逃す(スポーツ報知)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190506-00000091-sph-base

コントロールはアバウトですが、それを補って余りあるストレートの魅力がある投手でした。

素材型はプロのスカウトも好むので、夏までにもう一段階スケールアップすれば、この秋のドラフト指名も十分にありえる好投手です。

比嘉 天佑(中堅手)

滋賀学園では尾崎の他にもう一人目を引いた選手です。

【特徴】

背も大きく走攻守揃った大型外野手です。

今日も近江のエース林からヒットを放ったと思えば、強肩を誇る有馬から盗塁を奪いました。

スイングの力強さとフォロースルーは西武の栗山巧を彷彿とさせます。

夏で改めて注目して見てみたい選手です。

まとめ

近江にも滋賀学園にもプロを狙えるような選手がおり、見応え十分の試合でした。

近江はチームの総合力では滋賀ではワンランク抜けている印象を受けました。

順調なら夏には滋賀に限らず全国制覇も狙える戦力を有していると思います。が、春から夏にかけて選手やチームが急激に伸びるのも高校野球。夏の大会を楽しみにしていたいと思います。